理不尽の排除

昨日、NPO法人のLiving in Peaceという団体が主催するイベントへ行ってきました。

『マイクロファイナンスと保険医療』というタイトルで、「機会の平等を通じた貧困削減」を謳ったものです。


どういう事かと言うと、

「マイクロファイナンス機関の顧客(月々に数千円ほどを借りる必要がある貧困層)が、病気により仕事を続けることができなくなる」

「ローンの返済を滞らせてしまい、結果として貧困から抜け出せない」

「彼らを守る医療制度・保険制度が必要だ」

という流れで、金融と医療が途上国では密接に関わり合っているのだ、と言うものです。


まぁ先進国でも同じ事が言えるとは思うのですが、途上国では、よりダイレクトに生命の危機が関わってきます。


登壇されていた方もブルキナファソで医療に従事していた方だったのですが、国によっては、『新生児の死亡率』が日本(先進国)の50~100倍も高く愕然としました。




このイベントでもちょっと感じたのですが、

僕がこれほどまでアフリカに行きたいと思っている理由の一つに、「理不尽なもの」に対する負の感情がある気がしています。


たぶん、心底にあるのは

「なんでそんな世界があるんだろう?」

「どうやったらそれって解決するんだろう?」

という感覚です。

誤解を恐れずに言えば、単純な好奇心と言えます。




これにまつわるエピソードで、改めて僕の心を突き動かされた話が2つあります。



一つ目は、僕の小学校の同級生の話です。

彼はいまロードレーサーとして世界を飛び回っていて、この前久しぶりに会って話しました。


その中で、「中国の貧困地域のレースでは、自分の子供をレースカーの前に投げ出して当たり屋させる家族がいる。」

と言うのです。


上手い具合に子供が怪我or死亡すれば保険金がレース会社からもらえるかもしれない。


失敗して子供に何もなかったとしても、心配したレーサーが車を停めさえしてくれれば、その人を殺して金目のものを剥ぎ取り、レーシングカーは鉄くずとして売っぱらうそうです。


あり得ない世界です。



もう一つのエピソードは、タンザニアで置き薬を広めていらっしゃる、NPO法人AfriMedico代表の町井さんのイベントでした。


▼私に救える命がある 富山の置き薬をアフリカの村に

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/popress/feature/CK2015070302000228.html

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青年海外協力隊として感染症対策の職種で派遣されていたアフリカ西部のニジェールで、ある農村の女性に「お金をちょうだい」と言われた。

日本円で200円ほど。徒歩では1時間かかる病院に高熱の子どもを連れて行くためのロバが引くトロッコの代金だ。

お金は渡さなかった。1人に渡せば別の人にも断れず、際限がなくなる恐れもあるし、根本的な問題が解決するわけではない。

1カ月後、女性に再会。容体を尋ねたら、その子は亡くなっていた。

たぶん、マラリアで。言葉を失った。何が正解だったのか、答えは分からなくなった。

ただ、自分の行動に責任を持つしかない。社会の仕組み自体を変えていくしかないと思った。

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アフリカを象徴するようなお話だと思います。


結果論でしかないのですが、日本円でたった200円をあげていれば、すぐ目の前に救える命があったのだと。


ただ、この話は色んな含蓄があって、今の途上国の支援依存の体質を作ってしまった元凶だとか、賛否両論うまれる可能性があります。


安易な施しを選択するのか、それとも敢えて無視をするのか、今後の継続的な社会の仕組みを変えるのか、、、




いずれにしても、こんな風に理不尽な形で死亡・病気・貧困・飢餓のリスクに晒されている環境があるのだと。


そんな世界を、日本にいては理解できないし、見ないまま死んだら絶対後悔するし、たぶん今の自分なら何かできるかもしれない。

そんな感情がごちゃまぜになっているのが今の自分なのだと思います。

取り留めのない話ですが。

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