携帯送金サービス(M-PESA)の破壊力
最近、アフリカの話を周りの仲間や友達に話すと、「危ないんじゃない?」とか、「テロ大丈夫?」とか、すごく偏った見方をしている印象です。
そんな自分も、本格的に調べるまでは、
『貧困層』
『紛争・テロが絶えない国』
『資源大陸』
なんて偏ったイメージを持っていました。
ただ、ビジネス面だけで考えても、アフリカってホントに面白いところだと思います。
例えば、東アフリカに位置しているケニアでは、携帯送金サービスである【M-PESA】というサービスが流行っています。
先進国の日本でさえ、携帯から他人にお金を送金するってまだまだ常態化してないですよね。(まぁ普通に銀行口座から送れば一発なんですが)
M-PESAはサファリコムという通信会社が仕掛けているんですが、上手く現地のニーズを活かしているようです。
と言うのも、やはり都市部を離れると日本のようにある程度所得を得ている層はまだまだ少ないので、基本的には銀行口座が持てない世帯が多いようです。
ただ、田舎から出稼ぎに来た貧困村の長男とか、実家の村へ仕送りをしたいなんてニーズがあるものの、今までは銀行口座が無いので困っていました。
そんな人たちの需要を満たすのがM-PESAです。
細かい仕組みは僕も実態を知らないので割愛しますが、どうやら、自分の携帯から簡単に小口でのお金の送金ができるようです。
授受者は、パスワードのような数字の羅列を打ち込むだけで指定の金額を受け取れるとかなんだとか。
このM-PESAも、基本的には手数料ビジネスかと思いますが、アフリカにいる数千万人の市場を考えると、スケーラビリティがとんでもない事になります。
超~~~仮ですが、以下試算してみました。
▼ケニアのGDPの推移
http://ecodb.net/country/KE/imf_gdp.html
⇒70,380億ケニア・シリング(2016年予想)
いま現在の為替では、
1 KES =1.04953JPYとなっています。
まぁ、ケニア・シリングはだいたい日本円と同じ価値ですね。
つまり、ケニアのGDPは¥7,386,592,140,000(約7.4兆円)です
▼ケニアのモバイル送金サービスM-PESAが凄い!現金を持ち歩かない未来が来るかも
http://miraie-future.net/feature/mpesa/
まぁ、どこも同じような記事が書かれてますが、ケニアのGDPのうち、50%前後がM-PESAによる取引に使われていると言われています。
7.4兆円×50%=3.7兆円
送金にかかる手数料を、仮に【1%】だったと仮定しても、
3.7兆円×1%=370億円
とんでもない数字ですね。サファリコムがどれほどの手数料を実際に抜いていて、PLなどの人件費とか開発費とかがどれほど差し引かれているかは不明ですが、年間で数百億円単位のお金が動いている計算になります。
これは、
貧困層⇒銀行口座が持てない⇒携帯は普及している⇒じゃあ携帯で送金させちゃおう
という単純な発想から産まれていますが、これも一つのイノベーションの形で、人口規模が大きいためにものすごい利益が産まれています。
こうした案件は今後もゴロゴロと出てくるはずです。
そう考えただけでも、私たちのアフリカに対するイメージは違ってきますし、これからの展開がとても楽しみな大陸ですね。
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