AfriMedico

2ヶ月ほど前の話ですが、『AfriMedico』という団体のイベントに行ってきました。


LIPのセミナーでも登壇されていたので、2回観ているわけですが、こちらの組織の活動も素晴らしいです。


▼AfriMedico

http://afrimedico.org/


代表の町井さんは、元々JICAの青年海外協力隊の活動で、ニジェールに派遣されていた方です。


西アフリカはまだ詳しく無いのですが、日本との平均寿命の差に改めて愕然としました。

※ニジェール 45.3歳

 日本     78歳


いくらイノベーションがあちこちで産まれ、近頃は発展して来てるのだと言われても、改めて、こういった数字面での現実もあるんだな、と。。


もう少し俯瞰して見ると、アフリカでは、年間345万人もの子どもが5歳未満で命を落としているそうです。。



AfriMedicoの現在の活動範囲はタンザニアです。


一般的には耳慣れない(若い人は特に知らない?)かもですが、富山県の『置き薬』をモデルとして、アフリカの村落地域にローカライズさせたものだそうです。



クラウドファンディングを使ったファンド集めなどもやって成功しています。


▼医療のアクセス困難なアフリカ農村部に日本の医薬品を届けたい!

https://readyfor.jp/projects/afrimedico


この記事の中で印象的なもので、講演の途中でも参加者宛に問いかけられていた内容があります。

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私が海外青年協力隊でとある村にいたとき、高熱の子どもを抱えた母親が言いました。

「この子高熱があるの。ここから病院まで歩いて1時間。このままではこの子が死んでしまう、だから1,000FCFA(2USD)頂戴。あなたは日本人でお金持ちなんでしょ。」

こんなとき、あなたならどうしますか?

私は、お金をあげませんでした。そして、1ヶ月後この村に戻ると、その子は亡くなっていました。果たして、何が正しい行動だったのでしょうか。どうしようもない悔しさが込み上げてきました。

そこで私は、決心したのです。一過性の寄付金では、アフリカの医療問題は解決できない。持続可能な仕組みを作らなければと...

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ここにアフリカが抱える課題の多くがあると思います。



①未発達なインフラ


主に道路などが未整備なために、病院まで辿り着くことすらできない現実。

片道に1~2時間かかることもしばしば。


それに対して「置き薬モデル」は、各農村部に置いておけるので物流の壁がありません。

緊急で薬が必要な患者の手助けになるでしょう。


少し本題と逸れますが、

インフラ未整備の土地で、緊急度の高い医薬品を輸送する手段として、高城さんの記事も上がってたりします。


▼高城剛「ドローンの未来にアフリカで出会った」

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/102400333/?rt=nocnt



②皆保険制度が無い


例え病院にたどり着いても高額な診療費がかかってしまいます。

また、慢性的に医師も不足しているため、病院には長蛇の列。


そんな課題に対し、置き薬では1錠単位で販売ができるため、一度に高額の支出をしなくて済みます。

安価な初期治療の機会を提供できるわけです。



③Self-Medication


また、よく都市伝説のように言われますが、アフリカの一部の地域では呪術師が未だに幅を利かせていたりします。


医学・科学などが通じない世界です。

マラリアなんかも、原因が蚊ではなく、呪いの一種として扱っている村もあったりするとかしないとか。。


そんな現状では、まず、自分たちで「正しい知識と処方」を学ぶことが大切です。

日本人も、「こりゃ風邪だな」とか「ノロかかったかも。。」なんて、普通に自分の羅患した症状を推測したりしますよね。

まさにSelf-Medicationの世界ですね。


薬を自分たちで処方できるようになることは大きいです。




また、ビジネス的な観点で見てもこの取り組みは面白いんです。


AfriMedicoも、後々、POSシステムなどのITも導入することを見据えているそうですが、そうして蓄積されたデータはビッグデータとして活用できます。


企業へ売却・コンサルをしてもいいですし、人工知能を使って、どんな地域にどのような症状が流行りそうか、推測するモデルも作れるかもしれません。


企業は販促活用できるし、村人たちはより効率的に必要な医薬品をラインナップしてもらえる訳です。

Win-Winな世界観ですよね。



僕は医療系は無知ですが、こうしたインフラなどの即解決できない問題を解消するアプローチは、とても重要だと思っています。



最後に脱線しますが、アフリカにはない特殊な薬とかって、高額でもけっこう需要があるらしいです。

マラリアでなくても、けっこう高熱とか出てしまうケースが多いらしいんですが、下熱作用として日本のシップとかは需要が高いらしく、それは聞いてて面白かったです。

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