アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る
カバー写真が見た目のインパクトが大きく、同僚の間でもバズっていたので手にとってみました。O2OからOMOというキーワードが出てきて、その実態は何なのだろう、と考えていましたがまだ良く理解出来ておらず。ただ、このトレンドを牽引していくのはやはり中国がメインになるのだろうな、とも感じました。
■DIDIアプリ
didiがユーザー満足度に関してのデータを取得している点について。
1.配車リクエストに対する応答時間(適当に安請け合いしてキャンセルする事がないように、キャンセル・レートも取得)
2.配車リクエストを受けた後のユーザーをまたせた時間(到着推定時刻からのズレを集計し、寄り道や道に迷ってユーザーに迷惑を掛けていないか)
3.GPSとジャイロセンサー(加速度センサーの活用により、時間を短く輸送するために乱暴な運転をするようなドライバーのデータを取得)
■日本のスコアリングシステムとの違い
日本 →減点方式(罰則なども用意)
中国 →加点方式(良い事をし続けるとメリットが返ってくる)
■平安保険グループのグッド・ドクターアプリ
近くのお勧め病院が出た後、医師の情報も出てくる(卒業大学、論文歴、受賞歴、ユーザーレビュー、空き状況、予約可否)
2018年の医師ネットワークは4万人、登録病院数は3200
歩数計機能で貯まるポイント(1日が終わる前に必ずアプリを開いて換金するボタンを押す必要がある)
ポイントは健康食品、美容品、医薬品の購入時にお金として使える
1.DAUが高まるため広告などのマネタイズが可能
2.潜在顧客にはとりあえずDLしてもらい、病院検診や関心のある検索履歴などが営業に伝わり、最強の営業ツールとして機能する
■盒馬鮮生(Hema Fresh)
2016年から展開を開始、EC機能付きの生鮮食品スーパーマーケット
2018年末で100店舗超えを達成
店舗の3km圏内ならば30分以内に配送可能
オンラインからの商品のピッキングが店員が人力でピック
■コーヒー市場
中国のコーヒー市場、25%/年の拡大率(世界水準の10倍)
・Starbucks
2018年秋に141都市3300店舗に展開、2022までに600/年増やす予定、合計6000店舗目標
売上YoY-2%と苦戦しAlibabaと提携を発表
デリバリーサービスの普及に対しSLAが低下する懸念から参戦していなかった敗因
・NarrowGate
2帖のスペースしかない狭いスタンドタイプのコーヒー店
スタバよりも美味しく出来たて、安い、近い、というメリットがある
ドライバーの普及によりMicroな店舗スペースが狭くても成り立つようになった背景
・LuckinCoffee
WBCコンテスト受賞のアラビカ種豆を使用という触れ込み
2018年の1年で1600店舗まで一気に増床
ピックアップとデリバリーに特化させたビジネスモデル、アプリからしか購入出来ない
チケット購入の場合は半分がタダ券としてもらえる
・Starbucksの打ち手
1.ウーラマのドライバーからスタバ専用を確保(大抵のドライバーは他の注文と合わせて受注をさばいているから対応が遅れるため)
2.Hema Freshからスタバを注文(単純にOMO型にIncludeする)
■NPS(Net promoter score)
顧客満足度のような不満解消ではなく、ポジティブに他者へサービスを紹介したいと思うか、など、より好意的な意見を持ってくれているかどうかを指標にしている。プラスの感情、つまり、ロイヤリティが発生しているか否かが評価の分かれ目となる。
エコシステムを運用するにあたり、全ステークホルダーにWin-Winとなるよう徹底されている。toB、toC、雇用者、行政、など全てである。
■無人店舗の本当の価値
無人化というサービスや技術が凄いのではなく、中国で勝ち残った無人店舗の共通項は、顧客とのコミュニケーションにある。実際には、従業員とよりコミュニケーションを取り、より人間的な温かいサービスを提供するプレイヤーが生き残っている。
スタバはその典型であり、cafeを売っているのでは無く、顧客体験を提供している。スターバックス体験とも呼ばれ、家庭(1st)とも職場(2nd)とも違うこのような場所を3rdPlaceと呼んでいる。体験への没入のために決済などは邪魔で、可能な限りフリクションレスにしていく事が求められている。
■AntFinancialの相互保険(相互宝)
仮に100人が加入し、一人が怪我をすると、100人が医療費を負担する、というもの。加入は無料でボタンひとつで加入可能。1日で30万人、8日で1000万人、2週間で2000万人を獲得。
怪我をした人間の審査書類は負担社(加入者)全員が確認でき、支払いはAlipayから。意義申立ても可能で、母数が増えるほど負担額は減る仕組み。
加入者の数を表示することでゲーム感覚も加えた。芝麻信用スコアの650以上が対象と謳っているため、信頼できる人のみが加入しているという安心感も醸成。
Alibabaは管理費として10%を徴収するビジネスモデル。
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