科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている
引き続き環境系の本です。グローバルで正とされているIPCCの発表内容や、世界の科学者が提言している内容に対して「ちょっと待った」と手を挙げている内容で面白かったです。
直接書籍内にあった図がWeb上になく他の図の引用ですが、言わんとしている事は同じです。地球の温室効果ガス・気温上昇などについて議論する際に、太陽エネルギーがどのようにやり取りされているかを言及すべきですが、それが十分にされないまま短絡的に「CO2が悪」という今の風潮に待ったを掛けているイメージです。
※書籍内の数値説明
太陽からのエネルギーが100
26は雲に反射され宇宙に逃げる
4は地面・海に届くが即反射され宇宙に逃げる
残り70のうち50が地面・海に達して温める
残りの20は大気を暖める
地面・海・大気を暖めた光は再び宇宙に放射される(赤外線による放射効果)
そのうち約50%が大気に吸収される(この原因が温室効果ガス)
ただし、温室効果ガスの90%は水蒸気であり、CO2は10%のみ
二酸化炭素原因説を裏付ける図が上記。もともと280ppmだったCO2濃度は、産業革命以降から急速に伸び380ppmに。(本来は480ppmまで伸びている計算だが、差分の100ppmは恐らく海洋・植物への吸収で相殺)
上記はCO2・H2Oそれぞれの濃度に対する気温の変化値をグラフにしたもの。例えば、大気中の水蒸気が2倍になると温度は8度も上がるが、CO2が2倍になっても1.5度上がるのみ。科学的には、H2Oの与える影響の方が圧倒的に大きいという図。
IPCCや科学者が唱える、CO2一辺倒の説に待ったを掛けたいのだろうが、気温変化に影響を与える世界のTOP5は以下だと挙げている。
1.太陽の活動度
2.地球磁場
3.火山の噴火
4.ミランコビッチの周期
5.温室効果ガス
ミランコビッチサイクルについては、
・太陽と地球の距離(離心率0.015~0.05、10~40万年周期で近づいたり離れたりしている)
・地球の自転軸の傾き(一般的には23.4度→4万年周期で22.1~24.5度の間で揺れ動く)
1972年に発表されたローマクラブの「成長の限界」という図の引用。人口の推移が急激で興味深い。わずか100年前は世界17億人だったのが、70年後の1970年頃には2倍の34億人、その35年後の2008年には更に2倍の68億人へ、そして2050年には100億人を突破するとの予想。しかし、資源・食糧の問題から限界が訪れるというものらしいです。
ちなみに人口増加の歴史をたどると、
アフリカ発祥時代 15万人
農業革命時 15万人→500万人
産業革命時 5億人
100年前 17億人
という流れのようです。
特に資源の中で依存度が高い石油について、世の中の90%以上が依存しているとのこと。農業も化学肥料を用いているため、石油枯渇すると食糧生産能力・工業生産能力の両方が落ちるという。
2007年に石油鉱業連盟が発表した石油の確認埋蔵量は1兆1138億バレルとのことで、可採年数はわずか37.6年とのことです。驚くべきことに、36年後には石油が一切入手できなくなるほどのレベルだと言うのです。未確認のものも含めても68年とのこと。
1960年頃に1バレル1ドル程度だった価格が、幾度かのオイルショックや戦争を経て、今では140ドル以上/バレルと100倍以上に高騰している現状から考えても、今の石油依存型の社会から石油枯渇を迎えれば、ハードランディングする世界が待っています。
石油高騰の原因には、新興国の成長も大きな影響を与えているようです。
IEAによると、1日あたりの世界の石油需要量は1987年に約5000万バレルだったのが、2007年には8600万バレルと、20年間で1.7倍へ。1987年の内訳は先進国73%+途上国27%だったのが、2007年は先進国57%+途上国43%と上がっている。途上国側の需要が約3倍になっているようです。
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