エネルギーと原発のウソをすべて話そう
武田先生の本の2冊目。今回はエネルギー問題について。自分が直近で関わっていた環境映像祭に、原発関連のドキュメンタリー映画が多く、関心が高かったという事もありますが。
■原発を全停止した場合
万が一の事故があった場合の被害が甚大であるため、原発は高度な管理能力が問われるものです。ですが、日本の電力の30%を賄っているため、すぐに停止が出来ません。しかし武田先生は、今すぐに全停止し、数十年後に準備がしっかり出来てから(安全が担保できてから)再開することを提案しています。
日本の総発電量 1.2億KW
原子力発電 3600万KW(30%)
全国企業の自家発電設備 6000万KW
→50%が稼働していない状況。仮に90%を稼働させれば、6000万KW×40%=2400万KWが上乗せできる
残りの10%は、休止中の小型水力発電、火力発電などの余剰電力設備で賄えるだろう。
■温暖化の基本的なウソ
1.世界の気温は3000年のスパンで見た場合下降している
2.仮に地球温暖化しているとしてもCO2との因果関係は証明されていない
■ホッケースティック曲線のウソ
2001年IPCCでのマイケル・マン教授の提唱したグラフ。
ハッカーによってメールが流出してしまい、内容は「ちょうどマイクの「ネイチャー」トリックを終わったところだ。過去20年(81年以降)については実際の気温に加え、61年からは減少を隠すためにキースのものを加える」とあるようだ。
60年代からの気温下降を隠して、80年代からの上昇を強調するようなトリックがあったと言える。
■京都議定書
締結時の基準年(1990年)のCO2排出量
日本 11.9億トン
US 61.3億トン
UK 7.4億トン
ドイツ 12.5億トン
ロシア 30.5億トン
当時の2000年時点の予測CO2排出量
日本 13.4億トン
US 70.4億トン
UK 6.5億トン
ドイツ 10.1億トン
ロシア 18.8億トン
CO2排出削減の取り組みは数年単位どころか、数十年かけて設備を整えたりするものなので、京都議定書の締結時に各国は到達数値が見えていたはず。
中でも、日本は既に削減を積極的に取り組み、「雑巾を絞りきった状態」であったため、「基準年から各国が一様にマイナス6%」というのはおかしな取り決め。日本だけが無意味に(理不尽に)削減義務を負い、USは批准をしなかったため削減義務を負わないという事態に陥ったのが京都議定書の真相である。
■原発の耐震指針の言い訳 by官僚のロジック
1.原発の立地が決まると、地震の専門家が「想定の最大地震」を算出
2.上記1に基づき建築の専門家が建屋の設計
3.仮に予想外の大地震が起きると「想定外」になり原発は壊れる
4.付近住民が被曝し、「安全である」と押した太鼓判が崩れるので、「残余のリスク」という言い逃れのための言葉で濁しておく
官僚側としては、絶対に安全ということは世の中に無いため、形式として「残余のリスク」があるという表現を残しておき、仮にそのリスクが発生した場合は、(あくまでも努力目標として)全力で頑張って対応する、というのが理屈なのだという。
■曖昧な「予想震度」
1.地震の専門家が最大震度を推定
2.建築の専門家はそれに合わせて設計
3.電力会社が運転
という流れが出来上がっているため、そこに官僚(政府)は介在しておらず、責任を取らない構図が出来上がる。また、上記1~3のプレイヤーも、形式上のロジックを当てはめて推定・算出して従っているだけなので、万が一の際は他のプレイヤーや算出根拠の「想定外」だったと言い逃れできる。
大元の地震学者の推定にしても、彼らも研究費用や生活費が必要となり、ある程度、官僚側への忖度が必要となる。結局、数字遊びとなり、最大震度の推定などはどうとでも加工出来てしまう。
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